コンサルタントからの転職やキャリアプランは多岐にわたる
コンサルタントを目指す人にとって、コンサルタントを卒業した後にどのような会社に転職するのかや、その後のキャリアパスは非常に気になる部分だと思います。
現実として、コンサルファームに在籍している人は転職市場において非常に価値が高くなることは事実です。
その理由は、コンサルタントは資料作成や文書作成、仕事の進め方など基礎的なビジネススキルが高いことや、特定の専門領域において造詣が深いためです。
皆さんに持たれるイメージとしては、大手企業の経営企画などに転職するケースが多いです。
とはいえ、コンサルティングファームの多様化に合わせて、コンサルタントが持つスキルもバラバラになってきており、卒業後のキャリアパスも多岐にわたっています。
そこで今回は、私が在籍しているコンサルファームの同僚の経験も踏まえながら、コンサルタントからの転職先や、キャリアパスについて紹介していきます。
コンサルタント卒業後の5つのキャリアプラン
転職エージェントや、私の同僚、他ファームに勤める知人の話をまとめると、コンサル後のキャリアは大きく5つに分かれる傾向にあります。
- 他コンサルファームへ転職
- 事業会社の専門部署へ転職
- ベンチャー・スタートアップ企業の役員へ転職
- 投資銀行へ転職
- 起業・独立
コンサルタントは卓越したビジネススキルやロジカルシンキングを持っていますが、自分自身が事業を動かしていく・意思決定をしていくという経験ができません。
そのため、事業会社に転職したり自分で起業をするというケースがあります。
一方で、コンサルは事業会社と比較して非常に高い年収をもらっています。
そのため、事業会社に転職しようとしても年収が下がってしまうことが多く、特に家庭を持つ人は他コンサルファームに転職するといったことも多いです。
上記であげた5つのパターンについて解説していきます。
1. 他コンサルファームへ転職
他コンサルファームへ転職は最も多いケースです。
前述の通り、コンサルティングファームに勤めている場合は他業界と比較して高水準の年収をもらっています。
マネジャーの場合は1000万~1500万、コンサルタントクラスでも600万~900万くらいの年収です。
事業会社に転職してこの年収を維持するためには、ある程度上位の役職で入社する必要がありますが、いくらコンサル出身でもいきなり部長クラスで入社するのは難易度が高いのが現実です。
そのため、特に家庭を持っている人などは、年収を維持するために少し役職を上げて他のコンサルファームに転職するというケースが多いのです。
また、他コンサルへ転職する人が多い理由は年収だけではありません。
例えば、ITコンサルをやっている人が更なるキャリアアップを目指して戦略コンサルへ挑戦するというパターンも少なくありません。
コンサルでの働き方に慣れている分、ワークスタイルなどを変えずに転職することができる点は大きなメリットでしょう。
とはいえ、コンサルティング業界自体、長い間働き続けるのは難しい環境(労働時間など)なので、いずれにしてもその後のキャリアプランについてはしっかりと考えている人が多いです。
2. 事業会社の専門部署へ転職
他のコンサルファームに転職するパターンに次いで、多い転職先として事業会社があげられます。
その理由は、しっかりとワークライフバランスを保ちたかったり、自分自身で意思決定して事業を動かす側になりたいと考える人が多いためです。
コンサルティング業界は、知られている通り非常に激務です。
毎日過度なプレッシャーの中で深夜まで働くことが多く、精神的にも体力的も擦り減ってしまうため、一生働き続けるというのは現実的ではありません。
特に結婚をしたり、子供が生まれるといったライフステージが変わるにつれて、自分だけの人生では無くなるためワークライフバランスを考えて事業会社に転職する人が多い傾向にあります。
また、コンサルの業務に物足りなくなって事業会社に移るケースも多いです。
コンサルタントが携わることのできる業務は、あくまでクライアントへ提案するところまでです。
最近では実行までを担うコンサルもありますが、それについても現場社員と一緒に手を動かしたり一体となって進められているファームは少ないでしょう。
そのため、提案にとどまらずに実行までを担って事業を成長させたいと考える人は事業会社に転職しています。
事業会社に転職する際は、コンサルで担当していたクライアントの業界の経営企画や、コンサルで経験した業務に関連する部署に移ることが多いです。
例えば、エネルギー業界のクライアントに対して、マーケティング系の支援をしていた場合は、エネルギー企業のマーケティング部などが転職先になります。
3. ベンチャー・スタートアップ企業の役員へ転職
ベンチャー起業などの役員になるケースも少なくありません。
最近では、日本でもスタートアップへの資金調達が盛んになるなど、多くのベンチャー・スタートアップ企業が生まれています。
その際に、事業戦略立案を得意とするコンサル出身の人材が求められることが増えており、COOやCFOなど役員としてオファーをされるケースがあります。
また、友人が起業した際などにコンサルのようなプロフェッショナル人材として誘われることもあるため、コンサルからの転職先として多くなってきています。
4. 投資銀行へ転職
キャリアアップを目指していたり、年収アップを目指すなど、投資ファンドへの転職もコンサル後のキャリアパスとして多くなっています。
一見、コンサルとは畑が違う業界にも思えますが、経営に深く関わる業務であるためコンサルでの経験も活かすことができます。
投資銀行に関しても、一生働き続けることは難しい業界なのでその後のキャリアとしてはベンチャー企業のCFOや事業会社の財務部門などが考えられます。
5. 起業・独立
最後のパターンは、起業や独立です。
実際、このキャリアプランを辿っている人はそこまで多くありません。
その理由は、コンサルで優秀であること=起業家として優秀であるとは限らないからです。
しかしながら、コンサルで学ぶロジカルシンキングやビジネス整理術は事業を作る上でも非常に役立ちます。
コンサルタントとして働く人の多くは、自分自身の成長に対して非常に貪欲な人が多いですし、上昇志向が強いため起業したり独立をするケースも一定数見受けられます。
このような場合、元コンサルファーム出身という経歴は資金調達する上でも多少は有利になりますし、優秀な人材も集めやすくなります。
そのためには、コンサルである程度の年数経験を積み、スキルを身につける必要があるため、企業や独立をしているコンサル出身者は30代の人が多い傾向にあります。
自分に自信があったり、どうしても自分が事業を作って成し遂げたいことがある場合には、このようなキャリアプランも選択肢としてあるでしょう。
まとめ
今回は、コンサルタント卒業後のキャリアプランや転職先について紹介しました。
コンサルタントは今でも転職市場での価値が高い職業であるため、キャリアプランを描きやすいというメリットがあります。
とはいえ、コンサルティング業界が多様化している現在において、何も考えずにコンサルに入社し、ノープランでコンサルワークをしているだけでは選択肢は広がりません。
コンサルタントを目指している人や現在コンサルタントの人は、今回ご紹介したキャリアプランの例を参考に、コンサル後のキャリアプランをしっかりと考えることをお勧めします。