コンサルファームへの転職後に感じるギャップとは?
コンサルへの転職を考えている知人や後輩から、よく聞かれる質問があります。
それは、「コンサルに入社してからのギャップはありますか?」です。
確かに、私もコンサルファームに入社する前はすごく不安があったし、緊張していました。
特に30代前後にもなると、転職というのは人生における大きな分岐点となるので、「できるだけ転職を失敗したくない」と考える方は多いはずです。
コンサルの場合は業務内容や社風が見えづらい業界というのもあり、余計にそういった悩みを持つ方が多いんだろうと思います。
そこで今回は、私がコンサルファームに入社して感じた”入社前後のギャップ”について紹介したいと思います。
当然、良いギャップと悪いギャップがあるので、それぞれについて書いていきます。
コンサルに転職して感じた良いギャップ
コンサルへの転職後に感じた良いギャップは3つあります。
- 意外と人間味のある人が多い(ドライすぎない)
- 帰りが早いプロジェクトも結構ある
- タクシー代とかは結構出る
それぞれについて解説していきます。
意外と人間味のある人が多い(ドライすぎない)
これは私が最も驚いたことですが、意外と周囲の人間と関係構築する人が多いです。
もちろん、仕事を進める上で必要なコミュニケーションが発生するためという理由もありますが、プライベートなことを話したり、一緒に夜遊びに出かけたりということは多々ありました。(私の場合ですが)
入社前は、「コンサルって人に興味もないし、自分のスキルアップのためだけに働いてるんだろうなー」というイメージだったのですが、そうではない人もいます。
当然、それぞれがスキルアップや成長のためにコンサルで働いているので、馴れ合っているという意味ではありません。
プロフェッショナルとしての仕事をこなした上で、人間関係もうまく作っていくことが上手い人が結構いるのには驚きました。
なので、コンサル=ドライというは昔のイメージなのかもしれません。
帰りが早いプロジェクトも結構ある
コンサル=激務ということに間違いはないのですが、全てのプロジェクトが夜中の2時、3時まで働かなければいけないわけではありません。
私が最初にアサインされたプロジェクトも、21時くらいには帰宅していましたし、平均帰宅時間が19時~20時のプロジェクトもあります。
IT関連のプロジェクトについては、割と退社時間が早い傾向にあるので、ワークライフバランスを取りやすいというのは良いギャップだと思っています。
(私はITではないのでバランス取れていませんが・・)
アクセンチュアなどは基本的な残業時間が30時間/月と決められているなど、昔と比べて労働環境は改善されてきています。
社員1人当たりの残業時間は1日平均1時間、離職率は以前の2分の1以下に。働きやすい職場への変身により採用も進み、売上高は4期連続で2ケタ成長を続けている。
出所:日経新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25494590Q8A110C1000000/)
これは、最近では各コンサルファームで働き方改革を行なっていることも、退社時間が早くなっている1つの要因だと考えられます。
一方で、戦略系プロジェクトは例に漏れず忙しいケースが多いです。
そのため、このギャップは入社後の部門やプロジェクトによっても大きく変わるでしょう。
タクシー代とかは結構出る
くだらないギャップかもしれませんが、タクシー代を経費で落とすことができます。
もちろん、プロジェクトによって異なるのですが、夜中まで働いたりするケースも多いので終電を無くしてタクシーで帰宅・・なんていう場合でもちゃんと請求することが可能です。
また、クライアント訪問の際にも電車ではなくてタクシーを使うことが多いです。
これは、重要な資料を持ち歩いているという理由や、ただ単に電車がめんどくさいという理由ですね。
通常の会社だと、昼間からタクシーに乗るなんていう行為は役職者しか許されませんが、コンサルファームの場合はその権利を得ることができます。
そういった財布の紐のゆるさも良いギャップの1つです。
コンサルに転職して感じた悪いギャップ
一方で、コンサルへの転職後に感じた悪いギャップは3つあります。
- 戦略系案件以外ではコンサルスキルが身につかない場合がある
- 想像以上に業務内容が地味
- アナログな価値観の人が多い
私が感じた悪いギャップは業務内容と働く人に対してです。
上記についても解説していきたいと思います。
戦略系案件以外ではコンサルスキルが身につかない場合がある
コンサルに転職してきて、最も多いギャップはこれだと思います。
「クライアントの事業課題を解決したくて転職したのに・・・システムの導入プロジェクトかよ・・」
こういったギャップに悩まされる人は、私の周りにも一定数います。
やはり、コンサルファームに入社する人の多くは、クライアントの経営課題などを解決したいという思いを持っている人が多いはずです。
しかし、現在は戦略コンサルも総合コンサルもデジタルへかなり注力しています。
そのため、ITやデジタル系の案件がかなり増えており、特に新人はそういったプロジェクトにアサインされることが多いです。
戦略ファームは業界ごとに部門が分かれていることが多いですが、その中でもIT系の案件シェアは上がっています。
総合コンサルも同様です。
ただ、総合コンサルの場合、最初から戦略系部門に入社した場合はIT関連のプロジェクトにアサインされるケースは少ないです。
また、社内でしっかりとコネを作れば自分が行きたい部門のプロジェクトにアサインしてもらうことができるので、そういった社内のロビー活動を行うことも重要です。
私の場合も、最初のプロジェクトがIT系でかなり萎えていました。
しかし、知り合いを通じてマネジャーを紹介してもらったり、社内勉強会に出るなどして戦略系のプロジェクトにアサインしてもらうことができました。
想像以上に業務内容が地味
これは人によっても感じ方が異なりますが、業務内容はかなり地味です。
プロジェクトにもよりますが、入社して数年は細かい資料の修正や分析、議事録作成などがメインなので、そこに成長や面白みを感じない人にはギャップとなるかもしれません。
もちろん、頭を使った仕事はあるのですが、基本的には上位者(マネジャーなど)が考えたストーリーの一部を任されて、その領域内でスライドを作成するのがコンサルタントという役職に求められる仕事です。
そのため、コンサルタントという役職で入社した場合に、自分で裁量を持って仕事を進めるには3~5年は必要になるでしょう。
そういった意味では、「クライアントの課題解決をするぞー!」と入社したものの、非常にミクロな視点での資料作成などを任されることは悪いギャップになるのかもしれません。
アナログな価値観の人が多い
これは、私が最も感じた悪いギャップです。
コンサルは、良い意味でも悪い意味でも古い価値観の人が多いです。
働いている人の年齢が高いということもありますが、デジタルやテクノロジーに対する造詣が深くなかったり、起業や転職に対してネガティブな印象を持つ人が一定数います。
その理由としては、コンサルは大企業をクライアントとしているため、コンサルタントもそういった大企業の文化をやや受け継いでしまっている部分が少なからずあるのでは?と考えています。
もちろん、新しいものをどんどん取り入れようとするコンサルもいますし、多様な価値観を認めようという動きはファーム内でも活発になっているので、ぜひ今後に期待したいところです。
いわゆる、”ダイバーシティ”というやつですね。
コンサルは究極的な接客業なので、時代とともに柔軟に変化していってほしいなと感じています。
コンサル転職のギャップまとめ
今回は、コンサルへの転職で感じるギャップについて紹介しました。
私の恣意的な意見も多分に含まれていますが、同僚でも同じようなギャップに悩む人が多かったのでまとめました。
転職は人生の中でも大きな分岐点となります。
そのため、入社後に「こんなはずじゃなかった・・」と後悔しないよう、しっかりと見極めた上でコンサルファームへの転職活動をすることをおすすめします。