コンサルへの転職を成功させるには、入念な準備と対策が必要
コンサルティングファームへ転職する際には、入念な準備や対策が必要です。
それは、通常の事業会社に転職するのと比較して、コンサルファームへの転職する難易度が高いとされているためです。
コンサルは今でも転職市場で人気の高い業界となっており、一般的に経歴や学歴が良いとされる人たちが大量に応募をしるため、非常に倍率が高くなっています。
また、書類選考では職務経歴書や履歴書に加えて志望動機書を提出したり、通常面接の他にケース面接が実施されるなど、コンサル用の準備が必要となってきます。
さらに、コンサルティング業界はファーム毎の強みや業務内容などが業界外からはとても見えづらいことで有名です。
そのため、志望動機や転職理由を作成する際に必要な業界研究・企業研究を行いづらいという難点が存在しています。
そこで今回は、コンサルへ転職するために必要な準備や対策、転職活動の流れについて紹介をしていきます。
私自身、コンサルへ転職するために約6ヶ月ほど準備を行い、複数のファームからオファーを獲得することができましたので、実体験を踏まえた内容でまとめたいと思います。
コンサルファームへの転職の流れとやるべきこと
はじめに、コンサルに向けた転職活動をする際の流れをご紹介します。
コンサルへ転職するためには、大きく分けて以下の8つのステップとなります。
- 転職サイトに登録(2週間)
- 転職エージェントに登録・面談(2週間)
- 応募先のファーム(第一志望群・第二志望群)をリストアップ(2週間)
- 書類(履歴書・職歴書・志望動機書)を作成(2~3週間)
- WEBテスト・試験の勉強(1ヶ月)
- 業界・企業研究(2ヶ月)
- 面接の想定質問集作成(1ヶ月半)
- ケース面接・通常面接の対策(2ヶ月)
筆記試験やケース面接などがあることで、通常の転職よりも準備には時間がかかります。
準備開始から面接まで、大体3~4ヶ月ほどは必要になるでしょう。
ただ、すでにコンサル業界の研究をしていたり筆記試験にはある程度自身があるという方についてはもう少し早く面接を開始することができます。
先ほど紹介した8つの準備について、準備の方法や内容を解説していきます。
1. 転職サイトに登録
1つ目のステップとしては、転職サイトに登録をするということが必要になります。
実際、転職サイトが絶対に必要というわけではありませんが、下記の理由から登録しておくことが重要です。
- コンサルから直接オファーが来るのかを確認する
- コンサルに落ちた際の滑り止め候補を探しておく
まず、コンサルファームから直接面談オファーが来るかを確認するために、転職サイトはかなり活用ができます。
直接面談オファーをもらうことのメリットは、面接が確約されている(書類選考をパスできる)ケースが多いということです。
基本的にはコンサルファームの人事から面談オファーが送られてきますが、書類選考をスキップしても良いと判断された人材だけがメッセージを受け取れるため、そのような点ではメリットが大きいと言えます。
「本当にコンサルから直接オファーなんて来るのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、私自身も含め、ガンガン送られてきます。
もちろん、コンサルから見てある程度必要な人材と判断される必要はありますが、私の経歴はひいき目に見てもエリートとは言い難いですし、他にいい人材は溢れているしょう。
それでも、アクセンチュアやPwC、IBMなどから面談オファーを受け取りました。(友人はマッキンゼーから受け取っていました)
とはいえ、コンサルからのメッセージが来る転職サイトは限られているので、活用するサイトは精査をすることが重要です。
コンサル求人があるおすすめの転職サイトや、実際に私が受け取ったメッセージについては以下の記事で紹介しています。
2. 転職エージェントに登録・面談
次にやるべきことは、転職エージェントへの登録と面談です。
転職エージェントを使う一般的なメリットは、コンサル業界の情報を教えてくれる、面接対策をしてくれる、面接の日程調整をしてくれるなどがあげられます。
コンサルへの転職活動では、上記に以外の理由でエージェント選びが非常に重要になってきます。
その理由は、以下の2つです。
- コンサルファーム毎の面接・選考傾向を踏まえた対策をしてもらえる
- 面接後など。エージェントが応募者をプッシュすることで内定率が上がる
そのため、自分が志望するファームの選考突破率ができるだけ高く、且つ、丁寧に面接対策や書類添削などの支援をしてくれるエージェントを選ぶ必要があります。
転職エージェントには、コンサル専門エージェントと通常の大手エージェントがありますが、どちらを活用するかについても、自身の志望度が高いファームはどこか?によって変わってきます。
また、私自身の経験を踏まえると、できるだけ多くの転職エージェントと面談することがオススメです。
その理由は、キャリアコンサルタントを信用できるかどうかを見極める必要があるからです。
いくらエージェントとしての実績があっても、自分を担当するキャリアコンサルタントの方が経験不足であったり、丁寧な支援をしてもらえないと転職活動はうまくいきません。
ある意味、転職エージェントは属人的な業界でもあるため、多少面倒ではありますがいくつかのエージェントと面談を行い、最終的にどこを活用するのかを決めることが重要です。
志望するファーム毎にオススメのエージェントを以下の記事でまとめているため、参考にしてみてください。
3. 応募先のファーム(第一志望群・第二志望群)をリストアップ
活用する転職エージェントを決めた後は、具体的にどのファームに応募するのかを絞る必要があります。
応募先企業を決める際には、第一志望群と第二志望群に分けてリストアップするという方法がおすすめです。
その理由は、志望度の低い第二志望群の企業から先に受けることで、面接慣れをしたり、志望度の高い第一志望群の準備期間を長くするためです。
これは、実際に転職エージェントが行なっているリストアップ方法なので、転職活動の調整を行う際に参考にしてください。
応募先企業数の目安としては、全部で10~15くらいになります。
コンサルだけに絞っている場合は、そもそも応募できる企業が多くないのですが、第二志望群として中堅ファームなども含めると上記の数が妥当です。
4. 書類(履歴書・職歴書・志望動機書)を作成
応募企業をリストアップすると同時に、選考用の書類を作成する必要があります。
これは、転職準備の中でも非常に大切なステップの1つとなります。
コンサルファームに応募する場合は、履歴書や職務経歴書に加えて、志望動機書の提出を求められます。
志望動機書とは、コンサル業界を志望する理由や貢献できることを記載する書類です。
コンサル転職において書類準備を綿密に行う理由は、以下の2つです。
- 転職理由などのロジックを、コンサルが納得できるレベルにする必要がある
- 言葉の使い方や言い回しを、コンサルが納得できるレベルにする必要がある
そのため、約2~3週間ほどかけて書類の作成とエージェントによる添削を行うことが重要です。
エージェントは非常に多忙なので、添削などに力を入れてくれない場合もありますが、自分の書類に少しでも不安を感じたら絶対に修正の添削を依頼しましょう。
エージェントは、応募者がオファーを獲得することでインセンティブをもらうことができるので、しっかりと頼って書類選考を突破できるようにすればよいのです。
尚、職歴書や志望動機書・自己PRの作成方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
5. WEBテスト・試験の勉強
書類作成と同時並行になりますが、WEBテスト・試験対策も重要な準備です。
コンサルに転職する場合、中途ではやや珍しいのですがほとんどのファームでWEBテストや試験を課されています。
WEBテストは、就職活動の際に行うようなSPIなどもありますが、もう少し難易度が高いGMATやTG-WEBなど特殊な対策が必要なものを受ける必要があります。
このWEBテストは応募者の足切りとして設けられていることが多いため、テスト結果が悪い場合は面接に進めなかったり、面接に進めても落とされてしまうケースが多いです。
また、厄介なことにコンサルファーム毎に実施しているテストの種類が異なっているため、それぞれの対策をしなければなりません。
私はWEBテストを非常に苦手としていたため、TG-WEB・玉手箱・GMATなどそれぞれの書籍を買って、2ヶ月ほど勉強を行いました。
結果的に応募した全てのファームの試験を通過することができましたが、私と同じように苦手意識がある方は入念な準備を行うことをおすすめします。
6. 業界・企業研究
WEBテストの対策を行った後は、面接に向けた準備を行います。
会話の練習など具体的な面接対策の前に、コンサルティング業界や各ファーム毎の志望動機を固めるための研究が重要です。
とはいえ、コンサルティング業界はクライアントとの守秘義務契約の都合で、業務内容などがブラックボックスとなっていることが多く、研究しづらいです。
外から研究できることは限られているため、なるべく深い情報を得るために以下の方法で研究することがおすすめです。
- 志望するコンサルのWEBサイトでケーススタディを見る
- 志望するコンサルの新卒採用ページを見る
- コンサルで働く知人に話しを聞く
- コンサルファームのTwitterアカウントをフォローする
- コンサルファーム関連のニュースを見る
この中でも、ケーススタディを見ることと知人に話しを聞くことはとても役立ちます。
コンサルになって何がやりたいのか?については、ケーススタディを見ることでイメージを持ちやすくなります。
コンサルファーム毎の強みや違いについては、コンサルで働く知人に内部の情報を聞くことで参考にすることができます。
このように、面接で話す内容の材料集めをするためには業界研究や企業研究が大切になってきます。
7. 面接の想定質問集作成
コンサル転職においては、このステップが最も重要になります。
それは、面接で質問される内容とそれに対する回答を準備するということです。
最も重要な理由は、オファーを獲得できるかどうかはほとんどが面接次第だからです。
もちろん書類選考やWEBテストも重要ですが、コンサル側からすれば、オファーを出すかどうかは面接での判断にウェイトを置いています。
そのため、面接で質問されることに対して、面接官が納得できる回答をすることが大切なのです。
自分の考えが明確に固まっている人の場合は、このような準備は必要ないかもしれませんが、転職する理由、コンサルである理由、過去の成功体験など自身の考えを整理する意味でも、想定問答集の作成はとても役立ちます。
私も、想定問答集を作成したことで面接でもうまく思いを伝えることができたり、「面接で何を聞かれるんだろう」という不安が生まれませんでした。
想定問答集を作成する際のポイントとしては、志望するファームではどのような質問がされるのか?を洗い出し、マインドマップなどで整理をしていくとやりやすいです。
志望するファームの過去面接で出された質問を探す・活用する方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
8. 面接練習(ケース面接含む)
最後は、面接の練習です。
通常面接で話す練習はエージェントに依頼をして対策を行いましょう。
コンサル転職の面接が難しい点は、ケース面接が実施されるということです。
ケース面接は、準備をせずにその場で対処しようとしてもほとんどの確率で失敗します。
なぜなら、コツがあるからです。
逆に、しっかりと対策さえすればケース面接はある程度成功に着地させることが可能です。
ケース面接の対策としては、とにかく書籍で過去問を解きまくり、それを人に伝える練習を行いましょう。
ケース問題の準備として、問題だけを繰り返す人がいますが、それではコツを掴むことはできても実際の面接でうまくやり取りができません。
ケース面接とは、一方的に話すものではなく、面接官とのやり取りの中で架空の課題に対する解決策を見つけていくという作業です。
そのため、自身の考えをディスカッションしながら広げていき、一定のレベルに着地させるというスキルが求められるのです。
こういったスキルの対策には、コンサルで働く知人や、普通に友人とケース問題のディスカッションをするということが有効です。
コンサルで働く人がいればそれが理想ですが、いない場合でも友人などに頼んで、とにかく自分の考えを伝える練習をしておくことが重要です。
まとめ
今回は、コンサルファームへ転職する際に必要な準備と流れについてご紹介しました。
コンサルファームへの転職活動は、難易度が高い上に準備をすることも多く、仕事との両立は非常に負荷がかかります。
そのため、しっかりと信用ができるエージェントを活用して緻密な対策を行うことや、焦ることなく慎重に企業選びをすることが重要です。
コンサルタントを志望している人は、今回ご紹介した内容を参考にして準備を行っていきましょう。